前日は、akuraruさんのクク21でした。
このエントリーでは、今年私が最もプレイ回数が多かったであろう、『ディ・スタウファー』をご紹介したいと思います。
先に言っておきます。このゲームはかなり面白いです。
正直2015年のKDJを取れるんじゃないかと思っていました。
実際はかすりもしませんでしたがw
しかしながら、今回はその魅力を少しでもお伝えできたらと思います。
【ディ・スタウファーとは】
Die Stauferと綴ります。2016年に発売予定の日本語版では「シュタウファー」という表記になっていますね。
このゲームは12世紀ごろの神聖ローマ帝国の王朝であるシュタウファー朝をテーマにしています。
プレイヤーは皇族となり、帝国中を視察する皇帝(ハインリヒ6世)につき従い、ともに国中を周りながら、
各地の影響力を獲得し、それに応じた点を稼ぐことを目標にします。
【ゲームの概要】
一言で言えばこのゲームのジャンルはエリアマジョリティです。ゲームは5ラウンドからなります。
各ラウンド終了後、全6エリアのうち、1つか2つのエリアに対して得点計算が発生します。
得点は、そのエリアの影響力が高い順に、順位に応じた点が入ります。
得点計算が発生したエリアの影響力は一旦0にリセットされ、次に得点計算の対象となった場合にも、
再度影響力を高める必要があります。
さらに5ラウンド終了後、ゲーム開始時に受け取っていた3枚の指令カードによる点を加点し、
最も点数が高いプレイヤーが勝者となります。
各ラウンドでは、決められた順に(時計周りではない)1人1アクションずつ行います。
1人が1ラウンドで動けるのはたったの3アクションです。
そして、1つのアクションでできることは「人員の配置」か「人員の補充」のどちらかと、非常にシンプルなルールになっています。
さて、個人的にとてもお気に入りのディ・スタウファーですが、良い点を挙げる前にダメな点を挙げておきます。
これを乗り越えればあとは素晴らしい時間を過ごすことができるでしょう。
【ディ・スタウファーのここがダメ】
その1:使いにくい得点ボード
1周25点となっています。この25点というのが計算しにくすぎます。
例えば現在21点獲得していたとします。次の得点計算で12点取った場合、計33点となりますが、得点マーカーはどこに置かれるのかというと、1周周って8のところに置かれます(33-25)。
もうこの計算をするだけで嫌になりますね。
これは他の国でも同様に思われているのか、BGGで1周50点の得点トラックが有志によって公開されています。
手間を惜しまないのであれば、皆さん迷わずこちらを使いましょう。ゲーム中のストレスがかなり軽減されます。
その2:読めない文字
ちなみに各エリアの読みは以下のようになっています。
灰:Nijmegen (ナイメーヘン)
青:Aachen (アーヘン)
紫:Strasbourg (ストラスブール)
緑:Augsburg (アウクスブルク)
茶:Milano (ミラノ)
赤:Palermo (パレルモ)
その3:ゲームの準備が面倒
このゲームは毎回ランダムなプレイになるようにデザインされているせいか、やたら準備がめんどくさいです。私が思う面倒なポイントは以下3点。- プレイ人数により、エリアボードと得点タイルでどちらの面を使うのかが変わる。
そしてそれを確認するための表記が見にくい。 - 各ラウンドの得点方法を決めるために、15枚のタイルを配置する必要がある。
- 宝箱の準備、配置が大変。
ここが原因なのか?
私は宝箱タイルは巾着に入れてランダムピックしてますが、ルール通りに全部裏返して山札作るなんて
やってられませんよまったく。
その4:はみ出るコンポーネント
組み合わせ式のメインボードは割とあるケースなので特に気にならないんですが、補充ボード、補充時に取れる宝、都市にある宝、得点エリアの表示タイル、特権カードのどれもこれもメインボード外に置かなければいけません。。要はメインボード外がごちゃごちゃしてるのです。
もっとすっきり配置できなかったものか…ぐぬぬ。
そんな感じでダメなポイントが決して少なくないんですが、文句はもう言い尽くしましたので、
ここからはスーパー褒めちぎりタイムです。今まで挙げたダメポイントは丸めてポイしてください。
【ディ・スタウファーのここがステキ】
その1:先読みが楽しい
このゲームは、開始時点ですでに最終ラウンドまでの得点計算の発生エリアが5~7割分かるようになっています。
そして、得点計算に関係ないエリアに配置した影響力は、得点計算が発生するまで残ります。
つまりどういうことかと言いますと、あるラウンドで、得点を取るための影響力勝負に勝てないと分かった時に、無理に殴りあわず、先に次のラウンドで1位を取るための準備を行うべきかという選択が出てきます。
また、司令カードで点数を稼ぐには、最終ラウンド終了時点で、複数のエリアに影響力の配置を残しておく必要がありますので、逆に「最終ラウンドまで得点計算が発生しないエリアがどこなのか」ということも考える必要が出てきます。
慣れてくると、これらの情報を整理し、「いつどのエリアで1位を取れそうか」とか、「ゲーム終了後、どこに影響力を配置して終われそうか」とかが序盤から見えてきます。
初めてこれが見えた時、私は背筋がゾクゾクしましたよ。奥が深すぎるでしょ!
さらに、ゲームに慣れてくると先を見通せる範囲が大きくなるというのは、何度もプレイする楽しみを見いだせます。
ここに先ほど書いてたランダム性が加わると、毎回違った予測を立てられるので、先読みするのがもっと面白くなってきます。
その2:都市(影響力)を取るか、宝箱を取るかのジレンマが楽しい
このゲームは、各都市に宝箱が配置され、影響力を配置した時に獲得できます。
この宝は基本的に有用なため、「宝を取るために弱い都市に影響力を配置する」ということが普通に行われ、
そのせいで配置がままならなくなることがしばしばあります。
マジョリティを取りつつ、一番いい宝を取れるのが最高ですが、宝の配置はランダムのため、
そのようにならなかった時、どちらを取るのかかなり悩みます。ここのジレンマは本当に素晴らしいですね。思わず顔がにやけます。
その3:特権が楽しい
効果を持っています。
先に特権を取れた時の、周りからの「羨ましい」という言葉はいつ聞いてもいいものです。ええ、特権ですから!
しかし、特権を取るためには紫色の宝を2つ集める必要があり、どのタイミングでどの特権を取るのかもかなり悩みます。ゲームスタート時に特権をよく見ておかなければいけません。
また、強力な特権だからといっても、発動できなければゴミですので、今回の自分のプレイスタイルに合った特権を優先的に取るのも大事ですね。ここにも程よいジレンマが組み込まれていると思います。
その4:2人プレイが楽しい
このゲームのプレイ時間は「プレイ人数×20分」となっており、実際にそのくらいの時間で終わります。つまり2人プレイですと、40分、慣れると30分で1ゲームが終わります。これはもはや軽ゲー!
1ラウンド3アクションという手数の少なさも効いてて、2ラウンド目終了までは5分くらいで終わったりもします。
しかし濃密なプレイ感は損なわれておらず、「軽いのに濃密」という素晴らしい体験ができます。
このゲームをプレイしたことがあって、2人プレイを経験されていない方は1度遊ばれることをオススメします。
そんな感じで悪いところは多少ありつつも、システム的には素晴らしい点が多いディ・スタウファー。
このゲームがKDJを取れなかったのはフォントとコンポーネントのせいだと思っています。割とマジで。
システムだけで見たら頭一つ抜きん出てると思うんですよね。ほんと惜しい。
未プレイの方は是非プレイてみてください。プレイ済みの方ももっとやり込んで欲しいと思います。
【おまけ:各エリアについて】
以前それぞれのエリアが、どこにあるのか調べたことがあります。プレイ中のフレーバーとしてご活用ください。
ディ・スタウファーのエリア名と地図作ってようやくすっきりした。 pic.twitter.com/bwpKHHE92S
— ヒロ (@famashiro) 2015, 9月 17
ディ・スタウファーのボードをよく見たら、パレルモは島っぽいしストラスブールにはライン川っぽいのが通ってるし、アートワークがしっかりしてることに気が付いた。また一つ新たな魅力に気づいてしまったぜ… https://t.co/LrdXOy3k8c
— ヒロ (@famashiro) 2015, 9月 17
0 件のコメント:
コメントを投稿